SRI稲作 -超稲作技術-

マダガスカルにおける‘SRI稲作’の実態と多収要因に関する研究
「SRI(System of Rice Intensification/稲作集約化システム)」は、従来の慣行稲作とは異なる方法で、少ない水や苗で高収量を目指す農法です。もともと1980年代にマダガスカルで開発され、その後世界中に広まりました。農学的にかなりユニークなポイントがあります。ざっくり特徴をまとめます。
1. 栽培密度の工夫
- 苗を間隔を空けて植える(従来よりも株間が広い)。
- 苗は若い時期(通常8〜12日)に植えることで生育を良くする。
- 一株あたりの生長を最大化し、過密による競争を避ける。
2. 水管理
- 田んぼを常に水浸しにするのではなく、湿らせる程度の間欠灌漑を行う。
- 土壌に酸素が行き渡ることで根が深く張り、養分吸収効率が向上する。
- 水の節約にもつながる。
3. 土壌・肥培管理
- 土壌をよく耕す(伝統的な代掻きではなく、空気を含む軽い土壌に)。
- 有機肥料や微生物資材の活用で土壌健康を維持。
- 化学肥料依存を減らし、植物の自然な生育力を引き出す。
4. 手作業と管理の工夫
- 苗の間引きや植え付けを丁寧に行う。
- 雑草管理も手作業や軽い機械で行うことが多い。
SRIのメリット
- 従来の方法より水の使用量が少ない。
- 苗の本数が少なくても高収量。
- SRIで育った稲は、籾の大きさ・重さが良くなる傾向がある。
- 土壌生物の活性が上がり、化学肥料への依存が減る。
- 病害虫にも強くなる傾向がある。
- 倒伏もしにくいため、収量だけでなく安定性も向上。
注意点・デメリット
- 手間がかかる(苗の移植時期や間隔を守る必要がある)。
- 初期導入時は技術の習熟が必要。
- 機械化が難しい場合がある。
SRIの本質は「密植を避け、株あたりの成長力を最大化すること」。
これを水田だけでなく、畑作に応用すれば、従来の慣行より株あたりの収量と耐ストレス性を向上させることが期待されます。